※本記事は2025年12月11日に米国で公開された Five Pro Tips for Using Agentforce Vibesの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

Salesforceの新しいAIコーディングエージェント、Agentforce Vibes(英語)は開発ワークフローを変革(英語)します。Agentforce Vibesを使えば、これまでにないスピードで、アイデアをすぐに使えるアプリケーションへと変えられます。とはいえ、どんなツールも、効果的に使わなければ真価を発揮できません。この記事では、Agentforce Vibesを最大限に活用し、リクエストの使用量を最適化して、効率的なコードを書くための5つのヒントを紹介します。

1. リクエストやトークンの消費モデルを理解する

各Salesforce組織には、1日あたり50件のプレミアムリクエスト(英語)または100万トークンのうち、どちらか先に消費される方を上限とする利用量制限があります。そのため、本当に必要なときにリクエストやトークンの制限にかからないように、慎重にAgentforce Vibesを使う必要があります。いつでもAgentforce Vibesを使えるからといって、メタデータ1件のデプロイやコード1行の修正にも利用すればいいというものではありません。

従来のSalesforce CLI(英語)Salesforce Extensions for Visual Studio Code(英語)で簡単に片付けられる作業に、リクエストを無駄遣いしないでください。プレミアムリクエストは、複雑な計画の作成、コーディング、MCPサーバー経由でのツール呼び出しといった、価値の高い作業のために取っておきましょう。

2. スクラッチ組織を利用してリクエスト利用量を増やす

スクラッチ組織はソース駆動型の一時的な環境で、数秒で立ち上げることができるため、企業のバイブコーディングに適しています。

さらに、すべてのスクラッチ組織には、Agentforce Vibesのプレミアムリクエスト専用の利用量が割り当てられます。スクラッチ組織が5つある場合、1日あたり250件のプレミアムリクエスト(組織あたり50件)を利用できることになります。これにより、開発が集中する期間でも、バイブコーディングを続けられます。

スクラッチ組織は、Salesforce Visual Studio Code拡張機能のSFDX: Create a Default Scratch Orgコマンドを使用するか、ターミナルで次のコマンドを実行して作成します。

3. スラッシュコマンドを習得する

スラッシュコマンドは、ワークフローの効率を大幅に高める強力なショートカットとして機能します。以下のように、特定の動作を呼び出すことができます。

Using the slash (:) commands

  • /newrule – システムレベルのプロンプトを作成して、Agentforceをコーディングスタイルやベストプラクティス、エンジニアリングの原則に合致させます。
  • /newchat – 現在の会話のコンテキストを要約して、新しいチャットに引き継ぎます。コンテキストを維持したまま新しいチャットを開始し、リクエストを節約できます。
  • /reportbug – Agentforce Vibesで予期しない動作が発生した場合に、GitHubのIssueをすばやく作成できます。
  • /deep-planning – コーディングエージェントを使って、アーキテクチャーを設計します。コードベースを分析し、新機能の追加やリファクタリングのための包括的な実装計画を作成します。

4. @メンションを使って、正確なコンテキストを指定する

Agentforce Vibesがコードを理解するためにファイルを読み込むたび、1回分のリクエストが消費されます。指示を明確にすることで、リクエストを節約し、時間を短縮して、質の高い出力を得ることができます。@メンション(例 – @force-app/main/default/classes/AccountController.cls)を使うと、指定したファイルやフォルダーの内容をプロンプトに直接挿入できます。

Using the @ mentions to add context

メンションは、ファイルの指定以外にも有用です。@terminal@problems を使うと、ターミナルや[Problems(問題)]パネルの内容を提供して、デバッグに役立てられます。Gitコミットを含めると、コードベースに加えた変更を共有できます。また、URLを貼り付けると、追加のコンテキストを指定できます。

5. 本番環境でのアクセスを制御する

稼働中の本番環境では、AIコーディングツールを有効にしたくないこともあるでしょう。その場合は、次の方法で[Setup(設定)]から無効化できます。

  1. Setup(設定)]>[Agentforce Vibes Extensions]に移動します。
  2. 対象の組織の拡張機能を[Disable(無効)]に切り替えます。

この設定によって、本番環境を人間の管理下に置いて安全に保てます。

まとめ

バイブコーディングをマスターするには、リソースを計画的に管理し、スマートに作業を進める必要があります。スクラッチ組織やスラッシュコマンドを活用し、正確なコンテキストを提供することで、Agentforce Vibesから最大限の価値を引き出しましょう。

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執筆者について

Charles Watkins は、Salesforce組織のデベロッパーアドボケイトで、ソフトウェア開発者でもあります。ぜひLinkedInでフォローしてください。