※本記事は2026年1月22日に米国で公開された The Salesforce Developer’s Guide to the Spring ’26 Releaseの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
Spring ’26リリース(英語)は、2026年2月にかけてサンドボックス環境と本番環境に順次展開されます。今回のリリースには、開発体験を高める製品のアップデートと新機能が詰まっています。
この記事では、Lightning Webコンポーネント(以下LWC)、Apex、Agentforce、Agentforce Vibes、Data 360、Agentforce 360 Platformの開発者向けツール、APIなど、開発者にとっての注目ポイントを紹介します。
Spring ’26リリースのLWCのアップデート
Spring ’26リリースでは、ユーザーアクションの新しい処理方法から、TypeScriptなどの最新のコーディングツールへの完全対応まで、LWCの開発体験を高めるさまざまな機能が強化されています。
動的イベントリスナー
これまで、onclickやonmouseenterなどのイベントハンドラーは、すべてをHTMLテンプレートに列挙しなければなりませんでした。実行時に、ユーザーの操作に対するコンポーネントの反応を変えるには、複雑な回避手順が必要だったのです。
新しい lwc:on ディレクティブを使うと、イベントリスナーを動的にアタッチできます。HTMLに直接ハンドラーを記述するのではなく、イベントロジックをすべて含む単一のJavaScriptオブジェクトを渡せるようになりました。
- 仕組み:オブジェクトのキーはイベント名(
clickなど)を示しており、値はそのイベントが発生したときに実行される関数です。 - メリット:HTMLテンプレートに手を加えずに、JavaScriptでプログラムによってコンポーネントの挙動を切り替えることができます。
LWC Recipesサンプルアプリ(英語)に、dynamicEventListener専用のレシピを用意しました。このレシピでは、lwc:on={boxEventHandlers}を使ってユーザーの操作に反応する、シンプルなボックス要素を取り上げています。ユーザーが[Click Mode]と[Hover Mode]を切り替えると、それに応じてboxEventHandlersゲッターが異なるイベントハンドラーのセットを返し、LWCはボックスがリスンするイベントを自動的に更新します。テンプレートの変更は不要で、JavaScriptだけで挙動をスムーズに切り替えられます。
LWCにおけるGraphQLのミューテーション(変更操作)
Spring ’26では、lightning/graphqlの新しいexecuteMutation メソッド(英語)を使用して、LWCでGraphQLのミューテーションが完全にサポートされます。既存の@wire(graphql) アダプタが読み取り操作をリアクティブに処理するのに対し、executeMutationはJavaScriptコードからレコードの作成・更新・削除を直接行うための命令型APIを提供します。
まず、型付きの入力変数(ContactCreateInput!、ContactUpdateInput!など)を使ってgqlテンプレートリテラルでミューテーションを定義し、次にクエリと変数を指定してexecuteMutationを呼び出します。レスポンスはレコードペイロードで指定したフィールドだけを返すため、各操作後に返されるデータを正確に制御できます。
ミューテーションでレコードを作成する簡単な例を示します。
GraphQLのミューテーションの詳細については、LWCレシピサンプルアプリ(英語)に追加された以下のLWCをチェックしてみてください。
graphqlMutationCreategraphqlMutationUpdategraphqlMutationDelete
基本コンポーネントのTypeScriptサポート
Lightning 基本コンポーネントに、TypeScriptが対応しました。@salesforce/lightning-types パッケージ(英語)を使用して、lightning-inputやlightning-buttonなど、すべての基本コンポーネントでTypeScriptが完全にサポートされます。
- メリット:このパッケージによってIntelliSenseが利用可能になり、デプロイする前にコードのエラーを発見できます。
- ヒント:独自のカスタム型を作成している場合は、整合性を高めるために公式パッケージに切り替えることをおすすめします。
以下のLWCの例では、@salesforce/lightning-typesパッケージからLightningInput、LightningButton、LightningComboboxの型定義をインポートし、イベントハンドラーでevent.targetをこれらの型にキャストしています。これにより、value、validity、labelといったプロパティに対してオートコンプリートが有効になり、型の安全性が確保されます。TypeScriptに対応したことで、実行時ではなく、コンパイル時にエラーを検出しながらLWCを構築できるようになりました。
ツールのセットアップ
ステップ1:依存関係をインストールする:TypeScriptとLightningの型定義をプロジェクトに追加します。
npm install --save-dev typescript @salesforce/lightning-types
ステップ2:Visual Studio CodeでTypeScriptを有効にする: .vscode/settings.jsonに以下の設定を追加します。
これにより、lwcディレクトリにtsconfig.jsonが自動で作成されます。
ステップ3:デプロイの前にコンパイルを実行する:TypeScriptコンパイラーを実行してJavaScriptファイルを生成します。
npx tsc --project ./force-app/main/default/lwc
ステップ4:Salesforceにデプロイする:コンパイルしたJavaScriptファイルをデプロイします。
sf project deploy start --source-dir force-app
注:Agentforce 360 Platformには、JavaScriptのみが保存されます。.tsファイルがローカルでコンパイルされ、生成された.jsファイルが組織にデプロイされます。
LWCからフローへの移動
新しい standard__flow PageReference 型により、カスタムコンポーネントからフローを簡単に起動できるようになりました。
- 直接起動:LWCコードからAPI名を指定すると、任意の有効なフローを起動できます。
データの受け渡し: stateオブジェクトを使って、コンポーネントからフローの入力変数に情報を渡します。
LWC Recipesサンプルアプリ用のGitHub Pullリクエスト(英語)で、navToFlow LWCを確認できます。
エラーコンソール
赤いボックスでエラーが表示され、テストが中断されると、やる気が削がれてしまいます。新しい エラーコンソール は、致命的ではないエラーをバックグラウンドで処理します。
- シームレスな体験:エラーが記録され、後で確認できるため、作業を続けることができます。
- 完全な履歴:ポップアップ表示される致命的なエラーも記録されるため、デバッグに必要なすべての履歴が残ります。
有効にするには、 [Setup]>[User Interface]に移動し、[Advanced Settings]で「Use Error Console for error reporting in Lightning Experience」をオンにします。
Lightning Out 2.0の機能強化
前回のリリースで導入したLightning Out 2.0(英語)の操作性が向上しました。Lightning Out 2.0 App Managerから、直接ホストドメインを構成できます。Lightning Out 2.0 App Managerに外部ドメインを追加し、さらに[Session Settings]で信頼できるドメインの許可リストに追加してください。
生成されるコードブロックに app-id 属性が追加され、アプリを識別しやすくなりました。
Lightning Out 2.0アプリケーションマネージャーで、大文字と小文字が混在するといった、複雑な名前空間を持つLWCを追加できるようになりました。complexNs/lwcComponentのような複雑な名前空間がサポートされます。complexNs/lwcComponent(スラッシュ)または complex_ns-lwc-component(ハイフンを使用し、名前空間をアンダースコアで区切る)のどちらかの形式を使用できます。
詳細については、こちらの リリースノートを参照してください。
LWCのベータ機能
Spring ’26では、以下で紹介するベータ機能を提供します。ベータ機能は検証を目的とするもので、Salesforceベータサービスの利用規約が適用されます。
複雑なテンプレート式(ベータ)
Spring ’26では、複雑なテンプレート式が利用可能になりました。LWCテンプレートにJavaScript式を直接記述できる、画期的な機能です。これまでは、文字列の連結や条件付きの表示といった単純なロジックであっても、JavaScriptファイルにゲッターメソッドを作成する必要がありました。今回のリリースで、式をインラインで記述できるようになり、定型コードを大幅に減らせます。
これまでは、基本的な文字列の連結にも、次のようなJavaScriptのゲッターを書く必要がありました。
HTMLテンプレートは次のようになります。
テンプレート式を使えば、ゲッターを使わずに、ロジックをプレゼンテーション層に移せます。
この機能は、テンプレートリテラル、三項演算子、オプショナルチェーン、Null合体演算子、論理演算子、算術演算子、配列メソッド、さらにインラインイベントハンドラーもサポートします。以下にテンプレート式の使用例をいくつか紹介します。
lightning-empty-stateコンポーネントとlightning-illustrationコンポーネント(ベータ)
Spring ’26では、lightning-empty-stateとlightning-illustrationという2つの新しい基本コンポーネントが導入されました。スタイルの調整に手間をかけずに、データがない状態でも、SLDSに準拠した見栄えのよい画面を表示できます。
lightning-empty-stateコンポーネントは、イラストやタイトル、説明スロット、CTAスロットを備えた、空状態のパターンを提供します。
以下は、lightning-empty-stateコンポーネントの使用例です。
テキストがなく、イラストだけが必要な場合は、lightning-illustrationコンポーネントを使用します。以下に使用例を示します。
どちらのコンポーネントも、ダークモードを含むSLDSテーマに自動対応するため、どのようなコンテキストでも、空の状態を洗練されたデザインで表示できます。利用できるイラスト名には、cart:noitems、access:requestなどがあり、SLDSのイラストレーションライブラリには、さらに多くのデザインが用意されています。SVGを手動でインポートしたり、空状態のレイアウトを独自に作成したりする必要がなく、コンポーネントを配置するだけで済みます。
Spring ’26リリースのApexアップデート
Spring ’26リリースでは、Apexでも開発者向けの機能が強化されています。
Apexカーソル
Apexカーソル(英語)(API v66.0で一般提供)を使うと、SOQLの大量の結果を、Apexの一括処理の制約に縛られず、扱いやすいチャンクで処理できます。カーソルを一度作成すれば、任意の位置から、前方向にも後方向にもレコードを取得できます。
以下は、基本的な使用例です:
Queueableによる大規模データセットの処理
カーソルはシリアライズしてQueueableジョブ間で受け渡しできるため、数百万件のレコードの連続処理に最適です。
以下は実際のコードの例です:
UIのページネーション
カーソルは @AuraEnabled によるシリアライズをサポートするため、LWCとApex間でカーソルを受け渡して、シームレスなページ移動を可能にします。
以下は実際のページネーションの例です:
Apexの一括処理ではなく、カーソルとQueueableを選ぶ理由
| Apexの一括処理 | カーソル + Queueable |
| すべてのトランザクションでバッチサイズが固定される | 負荷に応じて100件、500件など、取得件数を柔軟に調整可能 |
| 一方向の処理 | 前後両方向の探索 |
| トランザクションごとの制御が限定的 | 非同期処理の制限をきめ細かく消費 |
注:カーソルで制限を回避できるわけではありませんが、制限に効率よく対応できます。fetch()を呼び出すたびにSOQLクエリの制限にカウントされ、取得した行数はクエリ行数制限にカウントされます。使用量は Limits.getApexCursorRows() と Limits.getApexCursors() で確認できます。
レコードタイプにもとづく選択リスト値の取得
Spring ’26では、Salesforce開発者を長い間悩ませていた問題を解決する、新しい強力なApexメソッドとして、ConnectApi.RecordUi.getPicklistValuesByRecordType(objectApiName, recordTypeId)が追加されます。
これまで、Apexでレコードタイプ別の選択リスト値を取得するには、いちいち UI API(英語) のコールアウトが必要でした。これからは、このメソッドを1回呼び出すだけで、特定のレコードタイプに対するすべての選択リスト値をApexから直接取得できます。そのため、動的フォームを効率的に構築できるようになります。特に「Continent > Country > City」のような階層的な依存関係のある選択リストの構築が簡単になります。
以下は、新しいメソッドの使用例です。戻り値の PicklistValuesCollection には、そのレコードタイプに対する選択リスト項目が1回のリクエストでまとめて含まれ、依存関係やデフォルト値も取得できます。APIを何度も呼び出す必要はなく、コールアウトも不要で、ネイティブApexだけで完結します。
Apex Blob.toPdf()でのVisualforce PDFレンダリングサービスの使用
Spring ’26から(Summer ’26で強制適用)、Blob.toPdf()メソッドがVisualforce PDFと同じ強力なレンダリングエンジンを活用するようになります。これにより、レンダリングの一貫性が向上し、フォントのサポートが拡張され、CJK言語(中国語、日本語、韓国語)やタイ語、アラビア語などのマルチバイト文字が完全にサポートされます。APIは変更されず、Blob.toPdf()はこれまでどおり任意のHTML文字列を受け付けてblobを返します。内部エンジンが新しくなることで、モダンなサンセリフのデフォルトフォントが使用され、多言語文字を確実にレンダリングできるようになります。証明書、請求書、レポートなど、世界中の利用者に提供するプロフェッショナルな文書の生成に最適です。
スタイルを適用した証明書を生成する例を紹介します。こちらの 証明書サンプル は、Gist(英語)で公開しているコードで生成したものです。
注:既存のPDFが従来のセリフ系のデフォルトフォントを使用している場合、改行位置や文字間隔が変わる可能性があります。後方互換性を維持するために、CSSで font-family: serif; を明示的に設定してください。準備として、[Setup]>[Release Updates]でこの更新を確認し、Summer ’26の強制適用日までにSandboxでテストしてください(インスタンスごとのアップグレード日程は Trustの状況 で確認してください)。
Apexのその他のアップデート
こうした重要なアップデートのほかにも、いくつか注目すべき変更があります:
- 関連するテストのみを実行することで、Apexクラスをより迅速にデプロイできるようになりました。この機能はベータ版です:
RunRelevantTestsは新しいテストレベルで、デプロイ内容を自動的に解析し、コード変更に関連するテストのみを実行します。sf project deploy start --test-level RunRelevantTestsのようにテストレベルを指定することで、テストスイートが大規模な組織ではデプロイを大幅に加速できます。- 新たに2つのアノテーションが追加され、より細かい制御が可能になります:
@IsTest(critical=true)はテストが常に実行されることを保証し、@IsTest(testFor='ApexClass:MyClass')は指定されたコンポーネントが変更された場合にのみテストを実行します。
purgeOldAsyncJobs()に追加された新しいメソッドオーバーロード(詳細については こちら を参照)を使うと、組織内で完了した非同期ジョブのうち、最も古いジョブから何件を削除するかを指定できます。削除するレコード数の上限を設定すると、大量のレコードを段階的に削除できます。- Apexクラス内のメソッドにアノテーションを付け、OpenAPI仕様ドキュメントを生成し、そのドキュメントを組織にデプロイすることで、Apexクラスにもとづくエージェントアクションを作成できます。
毎月のAgentforceアップデート
Agentforceでは、構築済みのAIエージェントをカスタマイズできます。また、SalesforceアプリやSlack、サードパーティプラットフォームなどでシームレスに動作する、エンタープライズ向けAIエージェントの作成とデプロイも可能です。今後、毎月のリリースで、開発者向けの重要な機能を追加していきます。
SalesforceはAgentforceのアップデートを頻繁にリリースしています。最新情報は、Spring ’26リリースノートの 「毎月リリースされる機能」セクション を確認してください。
新しいAgentforce Builder(ベータ)
Salesforceは、新しい Agentforce Builder(ベータ)(英語) により、AIエージェントの開発体験を刷新しました。Agentforce Builderは、LLMの創造性を損なうことなく、ビジネスに予測可能性をもたらします。
新しいビルダーは、すっきりしたファイルエクスプローラーを備えたテキストエディター風のインターフェースで、複雑なAIエージェントを短時間で作成できます。ロジックパターン(If-Then条件など)とリソースをすばやく組み立てられる Canvasビュー(英語) と、スクリプトを記述するための Scriptビュー の2つの方法が用意されています。
ビルダーの主な機能:
- 決定論的ロジック:もう、プロンプトだけに頼る必要はありません。アクションを順番につなげて、AIエージェントがトピック間を移行するタイミングを正確に制御することで、ビジネスプロセスを確実にマッピングできます。
- コンテキストにもとづく制御:条件ロジック内で変数を使用し、リアルタイムのコンテキストにもとづいてAIエージェントの動作を調整できます。
- 詳細なデバッグ:プレビューの強化により、すべてのメッセージで詳細なトレースと推論の要約が提供されます。これにより、AIエージェントの判断の理由を簡単にピンポイントで特定できます。
新しくなったAIエージェントの構築体験は、アップグレードされたグラフベースの Atlas推論エンジン と Agent Script に支えられています。Agent Scriptは、AIエージェントに対する自然言語のプロンプトとプログラム的ロジックをシームレスに組み合わせられる新しい言語です。
Agent Script(ベータ)
Agent Script(ベータ)(英語) は、自然言語の柔軟性とコード의 信頼性を兼ね備えた新しい言語です。AIエージェントは会話の理解に優れていますが、明確な制約が必要になることもあります。Agent Scriptでは、標準的な指示と厳格なルール(「if-else」条件や変数チェックなど)を組み合わせられるため、AIエージェントの判断を正確に制御できます。その結果、AIエージェントは自然な会話をしながら、常にビジネスロジックを正確に順守することが可能になります。
Agent Scriptを使うと、構造化されていない大まかな入力に頼ることなく、AIエージェントへの具体的な指示と状態変数を選んで組み立てられます。正確に指示することで、LLMが簡潔で無駄な情報の少ないプロンプトを受け取り、あいまいさが排除されて、AIエージェントの応答の精度が向上します。
構文やAgent Scriptの使い方の詳細については、 Agent Script Recipes(英語) のサンプルアプリを参照してください。
Agentforce Grid(ベータ)
Agentforce Grid は、CRMの実際のデータを使用してAIワークフローを迅速にテストし、改良できるスプレッドシートのような環境を提供します。AIエージェント、プロンプト、アクションを1つのビューにまとめることで、すぐにフィードバックが得られ、ロジックを改善して、価値実現までの時間を短縮できます。
Agentforce DX
Agentforce DX は、Agentforce BuilderのUIに対応するプロコードツールです。Visual Studio CodeとSalesforce CLIという使い慣れたツールで、AIエージェントを作成、テスト、デプロイできます。
Agentforce DXは、コンテキストの切り替えを最小限に抑え、ローコードとプロコードをスムーズに橋渡しできるように設計されています。開発者は、Agentforce Builderでシステム管理者が作成したAIエージェントを取得してVisual Studio Codeに取り込み、複雑なロジックで改良を加えることができます。
Agentforce DX Visual Studio Code拡張機能 v1.6.0の主なベータ機能
このリリースでは、 Salesforce CLI(英語) v2.115.15と Agentforce DX Visual Studio Code拡張機能(英語) v1.6.0で利用できる画期的な機能がベータ版として提供されています:
- Visual Studio Codeとの連携:新しいAgent Scriptの拡張機能(英語) では、Agent Scriptを正式な言語として扱います。この拡張機能にはAgent Script用の言語サーバーが同梱され、シンタックスハイライト、ビジュアルキュー(エラー時の赤い波線など)、内部検証、アウトラインのサポートを提供します。
- 高度なプレビュー:スクリプトファイルから直接、AIエージェントの会話をプレビューできます。Agentforce Builderと同様に、2つのプレビューモードがあります:
- シミュレーション:疑似的なアクションを使用して、ロジックをすばやくテストします。
- ライブ:実際のApexクラス、フロー、組織のリソースに接続します。
Agent ScriptとAgentforce DXの詳細については、こちらの Agentforce Decodedの動画(英語) とこちらの codeLiveの録画(英語) をご覧ください。
Data 360の毎月のアップデート
Agentforceと同様に、Data 360も毎月アップデートされます。詳細はData 360の マンスリーリリースノート セクションを随時確認してください。過去数か月の間にリリースされた機能を確認するには、Winter ’26リリースの 月別のリリースノート セクションを参照してください。
ConnectApi.CdpQueryクラスの新しいApexメソッド
ConnectApi.CdpQuery クラス に、IDまたは検索キーで、標準またはリアルタイムの データグラフをクエリするためのメソッド が追加されました。特定のデータスペースの指定、ライブデータの取得 もサポートされます。さらに、開発者は新しいgetDataGraphMetadata メソッド を使用して、これらのグラフの設定詳細にアクセスできます(リンク先はいずれも英語)。
その他のアップデート
- 独自の 鍵でプラットフォームの暗号化機能を使用(英語) して、Data 360のデータを暗号化できるようになりました。
- 2月のアップデートでは、Data 360のメタデータコンポーネントを管理するための幅広い Connect REST API リソースが導入され、外部接続の設定、データモデルオブジェクト(DMO)とマッピングの定義、機械学習モデル設定のオーケストレーション用エンドポイントが追加されました。また、開発者は新しいリソースを使用して、プライベートネットワークルートを管理し、外部クライアントアプリのOAuth認証情報を安全にステージング、ローテーション、保守できます。
Agentforce 360 Platform開発ツールのアップデート
Agentforce Vibes拡張機能
Agentforce Vibes拡張機能(英語) はAIを活用した開発者ツールで、Visual Studio Codeデスクトップと Agentforce Vibes IDE(英語) で利用できるVisual Studio Code拡張機能として提供されています。
Salesforceはコーディングエージェントのスマート化、ワークフローの円滑化、コンテキスト管理の精密化に重点を置いた複数のアップデートをリリースしてきました。バージョン3.3.0から3.8.0までの主な機能と改善点を紹介します。
/deep-planningによるスマートな計画作成
複雑な課題に対応するための、新しい4ステップのワークフローを導入しました。/deep-planning を実行すると、AIエージェントは構造化された以下の手順に従います:
- コードベースをスキャンします。
- ユーザーとともに要件を明確化します。
- 包括的な実装計画を生成します。
- 必要なコンテキストをあらかじめ読み込んだ状態で、新しいタスクを開始します。
こうした長いタスクを計画どおりに進めるため、 Focus Chain(英語) も追加しました。この機能は、コンテキストがリセットされても残るリアルタイムの「ToDo」リストを維持し、複数のステップからなるワークフローのなかで、AIエージェントが当初の目的を見失わないようにするものです。
コンテキスト管理の強化
最新のアップデートでは、 自動および手動での圧縮(英語) がサポートされました。これにより、コンテキストウィンドウとトークン使用量を直接制御して、コンテキストをより効果的に管理できます。
MCPエクスペリエンスの効率化
Model Context Protocol(MCP)のワークフローで、わずらわしい手間が不要になりました:
- 読み取り限定操作の自動承認:Salesforce DX MCPサーバーが、読み取り専用ツールを自動で承認するようになりました。安全なアクションには、その都度確認が求められなくなります。書き込み操作にはこれまでどおり、ユーザーの許可が必要です。
- パフォーマンスの向上:自動承認のオン/オフを切り替えてもサーバーの再接続が発生せず、UIの遅延が解消されます。
- UIのアップデート:MCPタブの名前を「Installed」から 「Configure」 に変更し、有効化/無効化の操作を改善しました。
セキュリティと操作性
- LWCとApexのルール がデフォルトで有効になり、最初から確実にベストプラクティスが適用されるようになりました。
- セーフコマンド に、セキュリティの修正と改善が加えられました。
- UIの改善 として、タスクヘッダーとFocus Chainのデザインがアップデートされました。
新しいモバイルMCPツール
この1月から、モバイルMCPサーバーの新機能を開発者向けプレビューとして提供しています。これらのツールにより、 Mobile SDK(英語) と Agentforceサービスエージェント を使って、ネイティブモバイルアプリを生成できます。
Salesforce CLI
以下に、Salesforce CLIに追加された最新機能の一部を紹介します。
統合ロジックテスト(ベータ)
相互運用性を確保するために、ApexテストとFlowテストの両方を1つのリクエストで実行できるようになりました。
パッケージソースの取得
特定の第2世代(2GP)またはロック解除済みパッケージのバージョン(04t で始まる)のソースメタデータを、ローカルディレクトリに直接取得できるようになりました。
sf package version retrieve --package 04tXXX --output-dir my-directory --target-dev-hub devhub@example.com
使いやすさの向上
- ログインのタイムアウト: タイムアウトを独自に設定して、ログインの問題が発生した際に、CLIが無期限にハングすることを回避できます(デフォルトは2分です):
export SF_WEB_OAUTH_SERVER_TIMEOUT=180000
- テストのポーリング:CLIがテスト結果を確認する頻度(秒単位)を調整して、API呼び出し回数や待機時間を減らせます:
sf apex run test --class-names MyClassTest --poll-interval 5 --target-org my-org
Agentforce 360 APIのアップデート
名前付きクエリAPI
名前付きクエリAPI(英語) の一般提供を開始しました。名前付きクエリAPIを使用すると、カスタムSOQLクエリを定義して公開できるほか、REST APIクライアント向けのスケーラブルなアクションとして利用できます。名前付きクエリAPIでは、既存のFlowやApexプロセスよりも、データをすばやく効率的に取得できます。詳細については、 こちら(英語) を参照してください。
アウトバウンドメッセージでのセッションID送信の削除
最新のセキュリティのベストプラクティスに合わせるため、2026年2月16日以降、アウトバウンドメッセージでセッションIDを送信できなくなります。代わりに、OAuthを使用して認証してください。詳細については、こちらの リリースノート を参照してください。
新規接続アプリケーションの作成をデフォルトで無効化
新しい 接続アプリケーション の作成は、すべてのSalesforce組織で、デフォルトで無効になります。この変更により、接続アプリケーションに関連するリスクがなくなり、セキュリティが強化されます。既存の接続アプリケーションは、このアップデートの影響を受けることはなく、引き続き正常に機能します。
新しいインテグレーションでは 外部クライアントアプリケーション を使用し、既存の接続アプリケーションは外部クライアントアプリケーションに移行することを推奨します。
Spring ’26の関連情報
- 公式の リリースノートはこちら を参照してください。
- Trailblazer Communityの Salesforce Developersグループ に参加して、世界中の開発者コミュニティとつながりましょう。
- Release Readiness Trailblazersグループ では、Salesforceエコシステムの最新の製品強化とイノベーションに関する情報を把握できます。
- LWC Recipes サンプルアプリ(英語)で、LWCの最新アップデートをお試しください。
執筆者について
Mohith Shrivastava はSalesforceのプリンシパルデベロッパーアドボケイトです。15年にわたってAgentforce 360 Platform(旧Salesforce Platform)でエンタープライズ規模の製品を開発してきました。Salesforce開発者が質問し合い、知識を共有できる開発者向けフォーラムのSalesforce Stack Exchangeでも積極的に活動しています。LinkedInのプロフィールは こちら。