考慮事項と制限
CalendarService API を使用する機能を開発するときは、次の点に留意してください。
CalendarService は、カレンダーや行動のデータそのものを管理するわけではありません。代わりに、基盤となるプラットフォーム (Android または iOS) およびハードウェア (電話またはその他のモバイルデバイス) の特定のカレンダーと行動のデータを利用できるようにします。CalendarService によって提供される機能はどちらのプラットフォームでも同じですが、プラットフォーム固有の動作やわずかな違いによる影響を受けます。
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CalendarService がカレンダーにアクセスして、関連するアクションを実行するには、カレンダーに関連付けられた取引先をデバイスと同期し、デバイスにカレンダーへのアクセス権限を与える必要があります。たとえば、ユーザがメールアカウントをデバイスと同期しても、そのアカウントのカレンダーへのアクセス権限をデバイスに与えていない場合、CalendarService はそのカレンダーを操作できません。
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デバイスによっては、雇用主が管理する MDM など、特定のデバイスのカレンダー API へのアクセスを限定する、その他の制限があります。このような制限により、CalendarService がカレンダーにアクセスして操作することが拒否される場合があります。
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CalendarService では、モバイルデバイスのカレンダーを使用する必要があります。ユーザはアプリケーションにカレンダーへのアクセスを許可する必要があります。実際のユーザエクスペリエンスは、プラットフォームに左右されます。要求は、初回使用時に自動的に行われ、デバイス自体で管理されますが、アプリケーションのユーザエクスペリエンスを設計するときに計画しておく必要があります。
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Android 11 以降では、アプリケーションがデバイスにインストールされている間、ユーザが連絡先アプリケーションへのアクセス権限の [拒否] を複数回タップすると、システム権限ダイアログが再度表示されることはありません。[拒否] の複数回タップにより、[次回からは確認しない] オプションが暗黙的に選択されます。
以前のバージョンの Android では、ユーザが以前に [次回からは確認しない] を選択していない場合、アプリケーションで権限が要求されるたびにシステム権限ダイアログが表示されていました。Android 11 でのこの変更により、ユーザが拒否することを選択した権限の繰り返しの要求が回避されます。
ユーザが連絡先アプリケーションへのアクセス権限を拒否しており、アクセスを許可するための権限を変更する必要がある場合は、デバイスの設定で変更できます。
もちろん、デスクトップまたはラップトップの開発環境でコンポーネントのユーザエクスペリエンスを開発することはできます。ただし、Lightning アプリケーションをリリースする物理デバイスでカレンダーと行動の機能を必ずテストしてください。
CalendarService で実行できるアクションには、無責任な方法や間違った方法で用いた場合、ユーザのデバイスに回復不可能な影響を与えるものがあります。行動の変更や削除などが、この危険なアクションにあたります。
他のモバイル機能と同様に、CalendarService の機能 (危険なアクションを含む) の実装は、お客様の判断に委ねられます。コンポーネントで危険なアクションを使用する場合には注意が必要です。
CalendarService は、モバイルオペレーティングシステムやデバイスの機能を基にして構築されています。そのため、CalendarService の機能は Android または iOS の機能に依存しており、Salesforce による管理の範囲外で変更される可能性があります。モバイルオペレーティングシステム機能が変更された場合、CalendarService の動作が通知なく変更されることがあります。