Dreamforce 2013 で、「Salesforce1 Platform」が新しく発表されました。これは”Internet of Customer”というキーワードに沿って新しくデザインされたアプリケーション開発プラットフォーム群です。
人間だけではなく、あらゆるデバイスがインターネットに繋がる時代において、開発者にとって、スケーラビリティや接続の為のWeb APIを公開している事は非常に重要です。
加えてより早くサービスをリリース可能にすべく、高い生産性を持ったプラットフォームサービスを効果的に利用する事はもはや必須となっています。
Salesofrce1には、パワフルなPlatformサービスと豊富なAPI、そしてモバイルに対応したアプリケーションコンテナがあり、高品質なアプリケーションを圧倒的な速度で作成することができます。
アプリケーションプラットフォームは次の時代に
アプリケーション開発の世界では、単なるトランザクションのやり取りではなくユーザ体験を重視するように変わりました。成長している企業やサービスは、今までに無かった、利用者とのより深い繋がりを構築しようとしています。
これには従来の古いプラットフォームの様に、トランザクション処理の為のサーバリソースとデータストレージの提供だけでは、もはやプラットフォームと呼ぶには物足りなくなってきています。
顧客や利用者をデータの軸として考え、付随するアクティビティを一元管理し、様々なアプリケーションをシームレスに繋ぐ。そういった顧客中心のデータモデルやアプローチをネイティブにサポートしたプラットフォームが必要になってくるでしょう。Salesforce 1 Platformはまさにこのような次世代のニーズに答えるプラットフォームとなっています。
開発者にとって使いやすいプラットフォーム
Salesforce1 Platformは開発者が扱いやすいようにデザインされています。使い慣れたプログラミング言語が動作する環境を選択し、アプリケーションを自由に組み込めるようになっているからです。
例えば、もしForce.com開発者であれば、VisualforceやApexといった今までのテクノロジを駆使して、すぐにモバイルアプリケーションを作成することができます。
もしあなたがHeroku開発者であれば、RubyやNode.jsを駆使してバックエンドアプリケーションを作成し、サーバサイドのAPIでSalesforce1と繋ぐ事もできますし、HTML5とJavascriptを駆使すればクライアントサイドでアプリケーションを連携できます。
もしあなたがiOSやAndroid開発者であれば、Moible SDKを利用して、Objective-CやAndroid JavaからSalesforce1のAPIを利用する事も可能です。
好きな言語や環境を駆使して、Salesforce1という強力なバックエンドサービスに接続し、新しい時代のモバイルアプリケーション開発が今すぐ始められます。
API First – APIによる全ての情報への接続
Salesforce1 Platformでは「API First」を重要な設計思想を掲げており、Salesforce1 Patform内のあらゆるデータや定義情報にAPIを介してアクセスが可能です。
これにはSalesforce1 Platformが持つ数多くのツールの機能も含まれます。例えばドラッグ & ドロップのレポートビルダーによって作成されたレポートはRESTful APIを介してJSONでデータを取得できます。
カスタムのデータベースオブジェクトを作成すれば、自動的にRESTエンドポイントが作成され、すぐにAPIコールが可能です。
Platformサービスへの認証には、非常に強力なアイデンティティ機能を持っており、すぐにエンタープライズレベルのクラウドバックエンドサービスとして利用可能です。
またSalesforce 1 Platformはモバイルからだけでなく、近い未来と言われているあらゆるデバイスからの接続に対してのソリューションを提供しています。Salesforce 1 Platform自体がStraming APIをサポートをしている上、Herokuを利用してWeb Socketをを使い、数多くのデバイスからのリクエストを処理するといった事も可能です。
データの連携にはHeroku1を使えば、Heroku PostgresとSalesforceのデータベースはシームレスに同期します。
ソーシャルデータモデル
今多くの方々スマートフォンやタブレットを使って、TwitterやFacebookといったソーシャルネットワークサービスを利用しているかと思います。Salesforce1 Platformはこのソーシャルネットワークの利便性を、エンタープライズの世界に持ち込みます。
ビジネスアプリケーションにおいては、ソーシャルデータは単なる友人関係を表す為の物ではありません。人々だけでなく、ビジネスアプリケーションや業務データからの通知、エンタープライズソーシャルグラフがそこにあるのです。
Salesforce1 ではSalesforce Chatterによって、あらゆるアプリケーションおよびデータを自動的にソーシャル化します。ソーシャル化したサービスには、Chatter REST APIを利用して自由にアクセスが可能です。
宣言的およびプログラミングによる開発環境
Salesforce1 Platformでは、アプリケーションの作成を迅速に行う事ができます。その開発の簡便さや生産性は群を抜いていて、全てのSalesforce1ユーザを”開発者”へ変えるほどのポテンシャルを持っています。もしあなたがプログラミングが得意では無いとしても、データベーススキーマの作成からワークフロー、レポーティング、データ検索・一覧・入力・編集画面の作成、等々はドラッグ&ドロップで出来てしまいます。そして作成した機能には全てRESTエンドポイントが生成されるため、外部のプログラムからの連携も可能です。
RubyやNode.js、Javaといったオープンなプログラミング言語が好きであれば、Heroku上にアプリケーションを作成して、Heroku1でデータを繋ぐ事が可能です。またHTML5およびJavaScriptを駆使すれば、Canvasを利用してサーバ側サービスの種類を問わずシームレスにSalesforce1アプリケーションをインテグレーションできます。
もちろんVisualforceおよびApexを利用して、今まで通りネイティブの強力なアプリケーションを構築する事も可能です。
Heroku1により、今までのForce.comの環境に加えて、オープンなプログラミング言語を利用する選択肢も増えました。
アクションベースのアプリケーション開発
Salesforce1では、カスタマイズされたアクションをユーザが自由に作成できます。アクションは宣言的ツールによってプログラミンングを全く行わないで作成可能ですし、プログラミングを駆使した場合にも、モバイルデバイス固有のコードを記載する必要はありません。
アクションボタンはSalesforce 1 Platformにより、自動的にモバイルアプリケーションに表示されるようになります。カスタムアクションはPCからWebブラウザでアクセスする場合だけでなく、モバイルからアクセスした場合のどちらにも対応しているので、ユーザはアクセスするデバイスを超えてシームレスに業務を行えます。
カスタムアクションを利用すればユーザの業務に特化したボタン・・・例えば、配送ドライバーがSalesforce1を利用して注文情報や到着予定時刻をアップデートし、その情報がChatterエンタープライズソーシャルフィードに流す、といったことも可能です。
また開発者はAPIで接続ができるので、自由な言語やサービスでSalesforce1の処理をカスタマイズする事が可能です。
エンタプライズモバイルアプリケーションコンテナ
Salesforce1には単体のモバイルアプリケーションとしての側面もあります。ポイント&クリックといった宣言的開発でも、プログラミングを駆使したフルカスタマイズでもどちらにも対応しており、従業員やパートナー向けのバックエンドアプリケーションを簡単に作成できます。
管理者はユーザのロールやプロファイルに対して権限セットを定義する事で、どのアプリケーションにアクセス可能かを簡単にコントロールできます。Saleforce1モバイルアプリケーションの左側にはナビゲーションメニューがあり、ログインユーザがアクセス可能なアプリケーションや、最近使ったデータ等が自動的に表示されます。
Force.com上のアプリケーションだけでなく、Herokuや様々なサードパーティ製アプリケーションをSalesforce1モバイルアプリケーションコンテナに組み込む事ができ、ユーザは、組み込まれたChatterソーシャルフィードから様々なシステムからの情報を紡ぎ、シームレスに業務を遂行できます。
いかがでしょうか?
ここでご紹介しているのはSalesforce1 Platformのパワーのほんの一部分に過ぎません。Salesforce1 Platformを利用すれば、モバイルも含めた顧客中心の新しいアプリケーションを迅速に作成できるのです。
Salesforce1 Platformをもっと深く知りたいという方は、12/12日にDreamforceで発表された内容を日本語で御届けするセミナーがありますので、是非ご参加下さい。
今後もSalesforce 1 Platformの情報を随時お伝えして参ります。
Dramforce 2013 Upate
http://eventjp.salesforce.com/