Salesforceの開発者・管理者向けの年次イベントであるTrailheaDX19が、米国サンフランシスコで5月29日&30日の2日間で開催されました。(更に同時期開催の有償トレーニングも含めると5日間)
新しい製品の発表はもちろんの事、世界中のSalesforce開発者・管理者コミュニティのメンバーによるセッション、達成すると豪華なプレゼントがGetできるミニハックやクエスト、多くの昨年より製品ファミリーに加わったMuleSoftのセッション&ブースなど、盛り沢山の内容でした。



また日本からも、Tokyo Salesforce Developer Groupの新リーダーに就任(予定?)の小林さんを始め、数多くのTrailblazerの方々にご参加頂きました。

#TDX19 最終日は日本からの参加者のみなさんとディナー pic.twitter.com/hJqVPpBVsd

— Ryosuke Kobayashi (@ryosuke921186) May 31, 2019

本投稿では、このTrailheaDXのハイライトをご紹介したいと思います。


Lightning Web Components のコアをオープンソース化

Spring ’19でリリースされた、開発者にとって大きな注目のサービスであるLightning Web Components(LWC)ですが、このLWCのコア部分がオープンソース化されました。

Lightning Web Componentsは近年のWeb標準の急速な進化と整備に伴い、オープンスタンダードなテクノロジをベースとして構築されたSalesforceのフレームワークですが、以下のような構成となっています。



図中のオレンジの部分がWeb標準が提供するもので、青の部分がLWCとなりますが、LWCの中でも3つのパートに分かれます。

Lightning Web Components framework: フレームワークのコアとなるエンジン部分

Base Lightning Components: Lightning Experience(LEX)環境で利用できる70を超えるCustom Elementsを利用したUIコンポーネント

Salesforce Bindings: Salesforceのデータ & メタデータ、キャッシュ及びデータ同期などのいくつかの特化した機能を提供

この中で、コアとなるエンジン部分のLightning Web Components frameworkがオープンソース化され、Githubにソースコードが公開されています。

https://github.com/salesforce/lwc

上記リポジトリには純粋なエンジン部分のソースコードのみが置かれていますが、以下のサイトへ行けばnpm (npx) コマンドを使って手軽にLWCの環境をローカルで試してみる事が可能です。

lwc.dev

今回のこのLWCのコア部分のオープンソース化だけでは、Base Lightning ComponentsやSalesforce Bindingsを利用しているであろう既存のLEX上のコンポーネントをローカルで動かすことはできませんが、LEXと似たルック&フィールのモバイル・アプリケーションをCordovaで作りたいケースや、Heroku等の外部のWebサーバにLEXと親和性の高いWeb Appやコンポーネントを設置したい場合、高度なUIを開発していてLEXに依存しない部分を切り出してローカルで開発 & テストしたい場合などに利用できる可能性があり、LWCを使った開発の可能性を更に広げてくれるでしょう。


Salsforce Blockchain

Salesforce Platform上でBlockchainが扱えるようになりました。
Blockchainとはレコード(ブロック)をハッシュによる暗号化リンケージでつなぎ合わせたデータ構造を持つ分散台帳(Ledger)を指します。



データがP2Pテクノロジーを利用して分散しているため対障害性が高く、レコードの改ざんやチェインするデータの分岐への対策を行えれば信頼性の高いデータソースとして扱えます。
例えば最も有名なBlockchainであるBitcoinでは、ハッシュ値が所定の条件を満たすナンス (ブロックに加えるランダムな数値)をネットワーク参加者に競って発見させ、成功者に報酬が支払われる仕組みを構築する事によって信頼性を保っています。

Salesforce BlockchainとはオープンソースのHyperledgerのテクノロジを活用して、Salesforce上でBlockchainを扱えるようにするものです。Salesforce Blockchainによって、参加するnodeのidentity管理、policy管理、スマートコントラクトなどの機能を提供し、分散ネットワークとデータ統合における複雑な作業を簡素化します。

Salesforce Blockchainの利用にはBlockchain Builderと呼ばれるGUIが提供され、コーディングや複雑なデプロイメントプロセス無しで、すばやくBlockchainネットワークを立ち上げられます。



Salesforce BlockchainはSummer ’19からプライベートBetaプログラムを開始予定となっています。


Architectへのより多くの注目と新しいAstroファミリー



Salesforceのアストロファミリーに新たなキャラクターの「Ruth(ルース)」が加わりました。
RuthはSalesforceの認定資格の中でも最高峰の Certified Technical Architect (CTA) の資格を持つ女性のキャラクターです。

今回のTrailheaDXの会場を見ていると、キャラクターの追加だけでなく、いたる所でアーキテクトを目指すためのセッションやブースが用意されていました。
Salesforceも創業から20年が経ち、提供するサービスの数も機能も格段に増え、開発者はアーキテクトとしてより大きな視点でのシステム設計を求められるケースが増えてきました。

また開発者のキャリアパスとしても、アーキテクトへのステップアップを目指す潮流が世界的に起きていることが会場からひしひしと伝わってきます。
今回日本からご参加頂いたテラスカイ渕上さんのエントリーにはCTA関連のセッションが紹介されていますので、こちらも是非ご覧ください。

TrailheaDX 2019 DAY2 【Ruth 登場!】 – TerraSkyBase
https://base.terrasky.co.jp/articles/MnZRU


その他にもTrailheaDXには様々なトピックがありますが、本エントリーで伝えきれない部分を知りたい方は日本の有志メンバーによるGlobal Gatheringイベントがありますので、ぜひこちらにもご参加ください。

6月24日 19:00 – 21:00|Tokyo Salesforce Developer Group TrailheaDX 2019 Global Gathering
https://www.trailblazers.jp/event/tdx19gg/

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(英語のみです)

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