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Agentforce 360の新機能で、AIエージェントを構築し、最適化

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Agentforce 360で構築したAIエージェントのライフサイクルと、それぞれの段階で役立つ最新の機能を紹介します。
Agentforce 360の新機能で、AIエージェントを構築し、最適化
December 16, 2025

※本記事は2025年10月29日に米国で公開された Build and Optimize Agents with New Agentforce 360 Featuresの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

Salesforceは、毎年、Dreamforce(英語)でさまざまなイノベーションを発表します。Dreamforce 2025では、AIエージェントの構築と管理を劇的に向上させる、Agentforce 360の新機能を披露しました。
この記事では、AIエージェントのライフサイクルと、それぞれの段階で役立つ最新の機能について簡単に紹介します。
紹介する機能のなかには、今後数か月以内にリリース予定であるものも含まれるため、免責条項が適用されることにご注意ください。最新情報については、毎月発表されるリリースノートを参照してください。

AIエージェントのライフサイクル

従来のソフトウェア開発ライフサイクルでは、アプリケーションを構築するための体系的なロードマップを用意して、品質を確保し、リスクを軽減します。AIエージェントの開発ライフサイクルでも同様ですが、AIエージェントの構築ならではの複雑さを管理するために最適化されています。AIエージェントのライフサイクルには、4つの段階があります。

  • 構築 – トピックとアクションを定義し、再利用可能なプロンプトテンプレートを設計して、AIエージェントを作成する。
  • 連携 – AIエージェントをサードパーティのシステムやデータと連携させる。
  • 実行 – AIエージェントの稼働を開始し、タスクを実行させる。
  • モニタリングと最適化 – AIエージェントのパフォーマンスを分析し、改良する。

Diagram that illustrates the four phases of an agent lifecycle

それでは、それぞれの段階を支援するAgentforce 360の新機能を詳しく見ていきましょう。Agentforceを活用する架空のフードデリバリー企業、Pronto社の視点で新機能を紹介します。

構築 – AIエージェントの作成

「構築」は、AIエージェントを実装する段階です。Agentforce BuilderでAIエージェントを構築し、プロンプトビルダーで作成したテンプレートにもとづいて、プロンプトを実行します。

Agentforce Builder

Dreamforce 2025で、Salesforceは次世代のハイブリッド推論エンジンを基盤とする、新しいAgentforce Builder(パイロット)を発表しました。Agentforce Builderを使えば、コーディング(エージェントスクリプトを利用)またはノーコード(Canvasインターフェースを利用)で、あらゆるユーザーがAIエージェントを実装できます。

ハイブリッド推論

新しいハイブリッド推論エンジンは、予測ロジックを適用し、必要な場面で制御フローや表現を厳密に管理して、生成AIにひそむリスクに対処します。さらに、トピック間で情報を受け渡して、複数のトピックにまたがってアクションをシームレスにつなげます。
次の図は、Pronto社のチームがAgentforce Builderを使って、カスタマーサービスエージェントのレビューとテストを行っている例を示しています。この例では、AIエージェントが注文について質問しているユーザーの意図を汲み取り、注文情報へのアクセスを許可する前に、顧客を特定するために別のトピックに遷移します。

Screenshot of a conversation preview in Agentforce Builder

Canvasインターフェース

新しいAgentforce Builderはすべてのユーザー向けに設計されており、コーディングでも宣言型のツールでもAIエージェントを構築できます。ノーコードやローコードのユーザーは、ドキュメントのようなインターフェースを備えたCanvasビューを使って、自然言語のテキストでトピックとアクションを編集し、入力補助機能やインラインツール、さまざまなリソースを活用できます。
次の図は、Pronto社のチームがCanvasビューを使って、「注文の管理」トピックを構成している例です。この例では、まず顧客が認証済みであるかどうかを確認するチェックが配置され、次にアクションを使って注文のステータスを表示するための基本的な手順が作成されています。

Screenshot of the Canvas view showing the Manage Orders topic

エージェントスクリプト

こうした新しいエクスペリエンスに加え、AIエージェントを構築し、動かすための新しい言語としてエージェントスクリプトもリリースされます。開発者はAgentforce Builder内のスクリプトビューや、使い慣れたIDEでエージェントスクリプトコードを編集して、AIエージェントの動作を指定できます。スクリプトを利用する��とで、AIエージェントの一貫性が強化され、LLMが指示どおりに動作するようになります。
次の図では、Pronto社のチームがユーザーのIDを確認するアクションを使って、「顧客の身元確認」トピックを実装しています。
条件と式を使った制御構造に注目してください。たとえば、55行目では、顧客が認証済みで、ターゲットトピックが「Manage Orders」の場合にのみ、AIエージェントがManage Ordersトピックに移れるように制御しています。

Screenshot of Agent Script showing the Identify Customer topic

プロンプトビルダー

プロンプトビルダー(正式リリース)を使うと、AIエージェントのアクションやApex、Flowなどから呼び出せる再利用可能なプロンプトテンプレートを作成できます。Winter ’26リリースで、プロンプトビルダーに新機能が追加されました。

マルチモーダルプロンプト

画像とPDFをサポートする、マルチモーダルプロンプトを使用できるようになりました。
Pronto社は、この機能を使ってPDFファイルからレストランのメニューをインポートし、解析します。従業員が、メニューをストアフロントレコードの添付ファイルとして取り込みます。ドキュメントが追加されるたびに、Apexがプロンプトテンプレートを自動的に実行します。プロンプトテンプレートが、関連リストを利用してドキュメントを読み込み、ドキュメントからメニュー項目を抽出し、レコードとして作成します。

A set of three screenshots illustrating a multimodal prompt that turns a menu PDF into menu item records

構造化された応答

プロンプトテンプレートの出力を、HTMLまたはJSON形式で構造化された応答として指定できるようになりました。これまでも、特定の形式で応答を生成するように、大規模言語モデル(LLM)にプロンプトで指示することはできましたが、出力は安定していませんでした。構造化された応答なら、組み込みの構文チェックによって、プロンプトの応答に一貫性が保たれます。
Pronto社のチームは��メニューをインポートするプロンプトでこの機能を使用します。プロンプトビルダーの[Response]>[Format]で構造化された応答を設定することで、メニュードキュメントが有効なJSON形式に変換されます。

Screenshot of the response format in Prompt Builder showing the default, HTML, and JSON format options

プロンプトの一括処理

プロンプトは非常に有用ですが、実行時にはLLMにリクエストして出力が返ってくるまでに数秒かかります。プロンプトを大量に使用すると、CPUの時間制限(英語)(同期Apexでは10秒、非同期呼び出しでは60秒)にすぐに達してしまいます。この問題に対処するために、Salesforceはプロンプトの一括処理(英語)を導入し、フローやApexで最大1,000件のプロンプトを非同期で実行できるようにしました。
フローを使用する場合は、新しい一括プロンプトアクションを利用できます。

Screenshot of a flow that contains a prompt template batch action

Apexを使用する場合は、AiJobRunレコード(英語)とAiJobRunItemレコード(英語)を使ってジョブを構成し、実行できます。
Pronto社の開発者は、次の例のようにApexでプロンプトを一括処理し、日常的に顧客のレビューを分析して、要約を作成します。

1public static AIJobRun startJob() {
2  // Create job draft
3  AIJobRun jobRun = new AIJobRun(
4    JobType = 'PromptTemplate',
5    Target = PROMPT_TEMPLATE_NAME,
6    Label = 'Refresh customer review summaries'
7  );
8  insert jobRun;
9
10  try {
11    // Create job run items for storefronts
12    List<AiJobRunItem> jobRunItems = new List<AiJobRunItem>();
13    List<Storefront__c> storefronts = getStorefrontsToProcess();
14    for (Storefront__c storefront : storefronts) {
15      String promptInput = '{"Input:storefront": {"id":"' + storefront.Id + '"}}';
16      AiJobRunItem runItem = new AiJobRunItem(
17        AiJobRunId = jobRun.Id,
18        Status = 'Ready',
19        Input = promptInput
20      );
21      jobRunItems.add(runItem);
22    }
23    insert jobRunItems;
24
25    // Start job
26    jobRun.Status = 'ReadyToStart';
27    update jobRun;
28    System.debug('Job started to summmarize ' + storefronts.size() + ' storefront reviews: ' + jobRun.Id);
29    return jobRun;
30  } catch (Exception e) {
31    throw new AiJobException('Failed to start customer review summary job', e);
32  }
33}

次に、AiJobRunにApexトリガーを使用し、完了したジョブのIDを関数に渡して、個々のプロンプト応答を含むジョブ項目を処理します。

1public static void handleCompletedJob(Id jobRunId) {
2  // Get job run items
3  List<AiJobRunItem> jobRunItems = [
4    SELECT Id, Status, Input, Response
5    FROM AiJobRunItem
6    WHERE AiJobRunId = :jobRunId
7  ];
8
9  // TODO: Process job run items
10  System.debug('Processing '+ jobRunItems.size() +' job run items');
11}

プロンプトの一括処理で日常業務をシンプルに行うために、Prontoの開発者はオープンソースツール(英語)を使って、ジョブを監視します。

Screenshot of the AI Job Monitor open source tool

アンサンブルリトリーバー

複数のリトリーバーをアンサンブルリトリーバーに組み込めるようになりました。これにより、複数のソースを横断して検索し、その結果を統合して、プロンプトテンプレートで使用できます。
Pronto社の開発者は、アンサンブルリトリーバーを使って複数のソースからレビューを集約し、レコメンド用のプロンプトで利用しています。

Screenshot of an ensemble retriever that combines two retrievers for customer reviews

連携 – AIエージェントの接続

AIエージェントを構築したら、多くの場合、外部との接続が必要になります。「連携」段階では、AIエージェントをサードパーティシステムに接続できるアクションなどを可能にする、新しいModel Context Protocol(MCP)(英語)の連携機能(パイロット)を利用します。AgentExchange(英語)で、Salesforceの信頼できるパートナーが提供するMCPサーバを確認できます。
Pronto社は、AgentExchangeのPayPal MCP ServerからMCPアクションとツールを使って、注文の決済を管理しています。次の例では、Pronto社が請求書を簡単に生成するために、PayPal MCP Serverのツールを利用しています。

Screenshot of MCP actions from a PayPal MCP server

実行 – AIエージェントの稼働

「実行」段階では、AIエージェントが稼働を開始します。Salesforceは、AIエージェントとやり取りする新しい方法としてAgentforce Voiceを発表しました。Agentforce Voiceにより、顧客は電話でAIエージェントと会話できるようになります。今後は他のデジタルチャネルにも対応する予定です。
次の例は、Pronto社の顧客が、電話を使って音声でカスタマーサービスとやり取りしている場面です。顧客はPronto社のカスタマーサポートに電話をかけて、Agentforce VoiceでAIエージェントと会話し、配送先の住所が間違っているなどの問題を解決できます。AIエージェントは、人間のサービス担当者を介さずにシームレスに顧客に対応しますが、必要であれば担当者に引き継ぐこともできます。

Screenshot of Agentforce Voice showing how a customer can connect to a service agent over the phone

モニタリングと最適化 – AIエージェントの改良

最後の「モニタリングと最適化」段階では、Agentforceオブザーバビリティを活用して、AIエージェントを継続的に改良します。この機能は、Data360(旧称Data Cloud)に保存された会話ログを使って詳細な分析を行い、AIエージェントのパフォーマンス最適化に役立つ推奨事項を提案します。
Pronto社はAgentforceのオブザーバビリティツールを使用して、総セッション数、顧客が自己解決したセッション数、AIエージェントの平均応答時間といった重要なインサイトをもとに、カスタマーサービスエージェントのパフォーマンスを可視化し、分析します。

Screenshot of Agentforce Observability showing key insights for a service agent

また、会話の質に問題が発生した瞬間を特定することもできます。これにより、チームはトピックの指示を微調整して、顧客満足度を高め、エスカレーションを回避できます。

Screenshot of Agentforce Observability showing conversation moments with quality scores

まとめ

AIエージェントの4つのライフサイクルを支援する、Agentforce 360の新機能を簡単に紹介しました。

  • 構築 – プロンプトビルダーと新しいAgentforce Builderで、AIエージェントを作成
  • 連携 – AgentExchangeからMCPを利用して、AIエージェントを接続
  • 実行 – Agentforce Voiceで、AIエージェントを稼働
  • モニタリングと最適化 – Agentforceオブザーバビリティで、AIエージェントを継続的に改良

Diagram that illustrates the new features of Agentforce 360 mapped to the four phases of an agent lifecycle

これらの機能は、Winter ’26リリース以降も進化し続けます。毎月発表される最新情報をお見逃しなく。

関連情報

オリジナルの執筆者について

Philippe Ozil は、Salesforce Platformの開発に取り組むプリンシパルデベロッパーアドボケイトです。技術的なコンテンツを執筆し、カンファレンスにもよく登壇します。フルスタック開発者で、API、DevOps、ロボティクス、VRプロジェクトに注力しています。X、LinkedIn、Blueskyでぜひフォローしてください。GitHubプロジェクトはこちら。

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