プロフィールデータの送信

デベロッパーは、顧客が Einstein に買い物客プロフィールの属性を送信する方法として、一括アップロードとリアルタイムのアクティビティ追跡の 2 つを設定できます。どちらか (または両方) の方法を使用して、買い物客プロフィールデータを Einstein に送信できます。

Einstein にデータを送信する際には、以下の点に注意してください。

  • Salesforce では、指定された推奨ユーザー識別子以外は、個人を特定できる情報 (PII) を Einstein に送信しないことを強く推奨しています。
  • 収集されたデータはすべて社内で最大 1 年間保存されます。1 年経過した時点で、データは古くなりすぎ、すべての Einstein データベースから削除されます。このプロフィールデータを継続して使用するためには、Einstein に再送信する必要があります。
  • Einstein が既存の買い物客プロフィールの属性に新しい値を受け取ると、既存の値に新しい値が付加されます。
  • Einstein は、受け取ったすべてのプロフィールデータを使用します。新しいデータは、既存のデータと同じように評価されます。

Salesforce では、顧客が収集した過去の買い物客プロフィールデータをアップロードできるように、セキュアな一括アップロードエンドポイントを提供しています。

一括アップロードオプションは、次のような用途を意図しています。

  • 追跡して収集した買い物客プロフィール関連のデータ。
  • 買い物客のパーソナル化を促進するために Einstein で使用したい、信頼できるサードパーティのデータ。

データを一括でアップロードすると、Einstein のデータに大きな影響を与える可能性があります。そのため、許可されたユーザーのみが大量のデータをアップロードできるようになっています。また、各アップロード API 呼び出しには、Account Manager から取得した必要な認証ヘッダー (bearer) アクセストークンを渡す必要があります。

注: Account Manager サーバーの負荷を軽減するため、現在のトークンの有効期限が切れるまで新しいトークンを生成しないでください。一括アップロード API 呼び出しの詳細については、API 仕様書を参照してください。

Einstein が使用する一括アップロードデータを準備するにあたり、以下を確認してください。

  • 一括ファイルは、gzip 圧縮されたタブ区切り値 (TSV) ファイルです。
  • TSV ファイルは UTF-8 文字エンコードで適切にフォーマットされ保存されます。
  • ファイルの mimetype は、gzip アプリケーションで使用できるよう正しく設定されています。
  • ヘッダー行には、login_id 識別フィールド、email_address 識別フィールド、またはその両方を含める必要があります。
  • 送信したい買い物客プロフィールの属性ごとに、列を追加できます。
  • 値は、文字列または文字列のリストです。文字列のリストの場合は、必ず縦棒 (|) で値を区切ってください。たとえば、orange|yellow のようにします。
  • 空の列は無視されます。Einstein は空の列を見つけると、その列をスキップして残りのユーザー属性データの処理を続行します。

各買い物客に関連する商品の推奨項目を生成するために、Profile Connector API は、一括アップロードで買い物客を識別するために次のいずれかのユーザー識別子を必要とします。

フィールド説明
login_id買い物客のログイン ID。一部のケースでは、email_address の値と同じになります。
email_address買い物客の完全な E メールアドレス。たとえば、shopper1@somewhere.com などです。

次に示すのは、買い物客プロフィール一括アップロードの TSV データの例です。列名はランダムです。

login_idemail_address性別brand_list
買い物客 1shopper1@somewhere.com男性オレンジ|イエローブランド A|ブランド B
買い物客 2shopper2@somewhere.com女性ブルー|ブラックブランド D
買い物客 3shopper3@somewhere.com女性レッド|ブラック|バイオレットブランド B|ブランド E

買い物客プロフィールの一括アップロードを行う際には、エンドポイントに関する次の制限事項を念頭に置いてください。

  • 一度にアップロードできるのは 1 つのファイルのみです。ただし、複数のファイルを 1 つずつ順番にアップロードすることは可能です。
  • ファイルサイズは最大 2GB です。

買い物客プロフィールの一括データファイルを準備したら、個々のファイルを gzip で圧縮し、Einstein の買い物客プロフィール一括アップロードエンドポイントにアップロードします。詳細については、プロフィールエンドポイントの一括送信を参照してください。

アクティビティ updateProfile 追跡エンドポイントを使用して、買い物客プロフィールデータの更新や好みをリアルタイムで呼び出して送信できます。ストアフロントで買い物客が入力した情報をリアルタイムにキャプチャすることで、その変化をただちに推奨に反映させることができます。

リアルタイムのアクティビティ追跡オプションは、次のような用途を意図しています。

  • 買い物客が好むアクティビティをリアルタイムにキャプチャする。
  • 買い物客プロフィールの更新をリアルタイムに行う。

各買い物客に関連する商品の推奨項目を生成するために、Profile Connector API は、リアルタイム追跡での買い物客識別用に 2 つのユーザー識別子を提供します。

  • cookieId (必須) - 匿名買い物客の一意の識別子。通常、cookieId はファーストパーティー Cookie の値です。
    • 従来の Commerce Cloud ストアフロントから API リクエストを行う場合、従来のストアフロントでの自動アクティビティ追跡と一致するように cqcid Cookie 値を渡します。詳細については、ブラウザーベースのローカルデータストレージを参照してください。
    • OCAPI または Salesforce Commerce API を使用する場合、ゲストログインレスポンスから visit_id 値を使用して自動アクティビティを一致させます。詳細については、OCAPI Customer ドキュメントを参照してください。
  • userId (推奨) - ログインしている買い物客の一意の識別子。このパラメーターを使用すると、Einstein は複数のデバイスで同じログインユーザーをリンクできます。
    • 従来の Commerce Cloud ストアフロントから API リクエストを行う場合、従来のストアフロントでの自動アクティビティ追跡と一致するように cquid Cookie 値を使用します。詳細については、ブラウザーベースのローカルデータストレージを参照してください。
    • OCAPI または Salesforce Commerce API を使用する場合、登録済みログインレスポンスから hashed_login 値を使用して自動アクティビティを一致させます。詳細については、OCAPI Customer ドキュメントを参照してください。

悪意のあるアクティビティを防ぐため、ユーザー識別パラメーターは連続性のないものを使用します。パラメーターには、連続、パターン、IP アドレス、E メールアドレス、名前、または特定の人物に関連するその他の情報を含めないようにします。すべてのユーザー識別パラメーターは、ハッシュ化やその他のメソッドにより、一般データ保護規則 (GDPR) に準拠する必要があります。