Salesforce Developers Blog

Agentforce ログの見方:LLM プロンプトをレポートで可視化する方法

Avatar for Hiroyuki InabaHiroyuki Inaba
「AIがどんなプロンプトを投げているか」を確認したい方必見。AgentforceのログをData 360と標準レポートで可視化する手順を解説します。デバッグの効率化やプロンプト最適化、ガバナンス遵守に不可欠なログの追い方を分かりやすくまとめました。
Agentforce ログの見方:LLM プロンプトをレポートで可視化する方法
January 21, 2026

みなさん、こんにちは!Agentforce、Salesforce の様々な生成 AI 機能を導入する際、開発者や管理者の方は「それぞれの機能は実際にはどのようなプロンプトを LLM に投げているのか」を見てみたいと思ったことはありませんか?

デバッグの効率化、プロンプトの最適化、そして企業のガバナンス遵守という観点から、AI の入出力を可視化することは不可欠です。この記事では、Data 360(Data Cloud)とレポートを活用して、Agentforce ログ(プロンプトを含む LLM とのやりとりのデータ)を可視化する方法を解説します。

この記事の内容を解説した動画はこちら。

※この記事の内容を実行すると、生成 AI 機能の利用とData 360 の利用に伴うクレジットの消費が行われます。あらかじめご了承ください。まず動きを見てみたいということであれば、無料で取得可能で、生成 AI 機能や Data 360 利用にも追加費用がかからない Developer Edition をご利用ください。

この記事のポイント

  • Agentforce のログデータは Data 360 に自動的に収集・蓄積される
  • 標準のレポート機能を使用して、ログを見ることができる

1. 事前準備:ログ収集の有効化

前提として、Data 360 の準備が完了し、生成 AI 機能(Einstein を有効化)もオンになっている必要があります。その後、組織の設定で「監査およびフィードバック」の機能を有効化します。

この設定を有効にすることで、Agentforce、生成 AI 機能からのほぼすべての LLM に対するリクエストとレスポンスが、Data 360 上のデータモデルオブジェクト(DMO)に格納されるようになります。

2. ログデータの構造を知る

収集されたログは、Data 360 上で主に以下の3つのオブジェクト(DMO)に分かれて保存されます。これらは自動的にマッピングされるため、手動でのデータ取り込み設定は不要です。

  • GenAIGatewayRequest: LLM へのリクエスト情報(送信日時、利用モデル、Appタイプなど)を保持します。
  • GenAIGatewayResponse: LLM からのレスポンスのメタ情報(パラメーターなど)を保持します。
  • GenAIGeneration: 実際に生成されたテキストコンテンツを保持します。

これらを組み合わせることで、「いつ・どの機能が・どのモデルに対して・どんなプロンプトを送り・どんな生成結果を得たか」というストーリーを再現できます。

※2026年1月時点: ログデータはおよそ1時間ごとに同期(取り込み)されます。このため、機能を利用した後にログが確認できるようになるまで、最大1時間の遅延があります。

3. レポートの作成手順

Data 360 に格納されたデータは、Salesforce の標準レポート機能を使って簡単に可視化できます。

ステップ 1:カスタムレポートタイプの選択

「GenAIGatewayRequest with GenAIGeneration」を選択しレポートを作成します。もしこのレポートタイプが組織で見当たらない場合は、この3つのオブジェクトを組み合わせるカスタムレポートタイプを作成することで同じレポートを作成することができます。

ステップ 2:レポートの作成と項目設定

作成したレポートタイプを使用して新しいレポートを作成します。例えば次の項目を列に追加してみます。

  • GenAIGatewayRequest
    • App Type, Cloud, Feature: 使用された機能・区分
    • Model: 使用された LLM
    • Provider: LLM の提供元
    • Prompt: LLM に送られたプロンプトの全文
    • Parameters: リクエストのパラメーター値
    • Timestamp: 実行された日時
    • Total Tokens: 合計消費トークン数
  • GenAIResponse
    • Parameters: レスポンスのパラメーター値
  • GenAIGeneration
    • Response Text: LLM からの回答

4. 活用法

レポートが完成すると、以下のような分析やデバッグが可能になります。

  • システムプロンプトの全貌を確認
  • トラストレイヤーのマスク効果を確認(Masked Prompt 項目)
  • エージェントの思考プロセスを追う

プロンプトは長文になることがあり、レポートの画面から全文を確認できないことも多いです。その場合は、レポートをダウンロードして何か別のツールで見てみることをお試しください。

まとめ

「ブラックボックス」と思われがちだった生成AIの挙動も、Data 360 とレポート機能を組み合わせることで、透明性の高いシステムへと進化させることができます。まずは無料で取得できる Developer Edition で動きを見るところから始めてみてください。

参考リソース

More Blog Posts

[Agentforce ハンズオン] Coral Cloud Resorts サンプルアプリケーションのご紹介

[Agentforce ハンズオン] Coral Cloud Resorts サンプルアプリケーションのご紹介

Agentforce と Data Cloud を使用した Salesforce 組織で、リアルなコードとベストプラクティスを体験できる Coral Cloud Resorts サンプルアプリケーションをお試しいただけます。October 10, 2024

Agentforce の構築と管理について - Salesforce Platform のロードマップを紐解く

Agentforce の構築と管理について - Salesforce Platform のロードマップを紐解く

Salesforceは、AI エージェント「Agentforce」を活用し、業務効率の向上と顧客体験の強化を目指しています。誰でもローコードツールで簡単にエージェントを構築可能である一方、開発者向けには AI 生成コードや自動テスト機能を提供。その一方で重要性を増すセキュリティ対策や、データ保護を強化するなどの取り組みを行っています。こうした取り組みと、今後の Platform 製品群の展望についてご紹介いたします。November 20, 2024