買い物客のコンテキスト
SCAPI には、ヘッドレスストアフロントの買い物客体験をパーソナライズするために、以下の機能が用意されています。
- Shopper Context API
- フック/Script API
このトピックでは、Shopper Context API の使用方法について説明します。
Shopper Context (買い物客のコンテキスト) API には、フックや Script API を使用する場合と比較して、次のような利点があります。
- フックを作成したり、カートリッジをデプロイしたりする必要はありません。
- 限定子ルールと対応する Script API を理解する必要はありません。
effectiveDateやcouponCodesなど、Script API で使用できない限定子を設定できます。- コンテキストを 1 回設定すると、すべての SCAPI 呼び出しでそのコンテキストが考慮され、状態が数日間維持されます。
次の表に、買い物客のパーソナライゼーションの使用例を示します。
| 使用例 | 推奨されるパーソナライゼーションメソッド | 使用される限定子 | キャッシュのサポート |
|---|---|---|---|
| 「Shop the Store」パイロット機能 | 「現時点以降の購入」の買い物客のコンテキスト "store" | "effectiveDateTime" | いいえ |
| Salesforce の全従業員が従業員価格を利用可 | ネイティブ SCAPI | 動的顧客グループ – メールアドレスの末尾が @salesforce.com | はい |
Shopper Context API を利用して、ショッピング体験をパーソナライズします。
- 店舗の選択時にプロモーションを送信する
- ロケーションやデバイスの種類など、買い物客のコンテキスト情報を追跡する
- ソースコードを使用する買い物客に特別価格を提供する
- ストアフロントの今後の様子をプレビューする
Shopper Context API をスコープに含むアクセストークンは非常に役立ちます。特定のプロモーションを有効化し、ストアフロントがどのように表示されるかを確認するために使用できます。Web ブラウザーやクライアントアプリなどの信頼できないクライアントとは共有しないでください。
プライベートクライアントでは、Shopper Context 呼び出しを使用し、セキュアなバックエンドチャネルを通してのみ Shopper Context 呼び出しを設定することを強く推奨します。Shopper Context のユーザーは、悪用される可能性を避けるため、データを閲覧できるブラウザーや同様のクライアントを通して直接呼び出すことは避けるべきです。
その一環として、SLAS でテナントのパブリッククライアントを新規作成する際に Shopper Context スコープを追加しようとすると、その操作にともなうリスクに対する認識をユーザーに促す警告メッセージが表示されるようになりました。
Northern Trail Outfitters の買い物アプリでジャケットを購入するケースで、ある買い物客用にパーソナライズされたジャーニーを見てみましょう。
- 買い物客は買い物アプリを開き、ゲスト買い物客としてジャーニーを開始します。
- この買い物客はシアトルにいます。そして、シアトルから E メールによるプロモーションに登録すると購入額が 15% 割引になることに気づきます。
- 登録後、買い物アプリにログインします。2 つのコンテキストから次のことがわかります。
- シアトル市から閲覧している。
- 買い物アプリにログインしている。
- この買い物客は、15% 割引を利用して、買い物を完了しました。

Shopper Context API を使用して買い物客のコンテキストを設定および取得するには、次のようにします。
- Business Manager で買い物客のコンテキストを有効にします。
- Business Manager にログインします。
- 管理 > グローバル環境設定 > 機能スイッチの順に進みます。
- 買い物客コンテキストの有効化 にチェックを入れます。
sfcc.shopper-context.rwを SLAS API クライアントに追加します。- SLAS のアクセストークンをリクエストします。
- PUT Shopper Context API を呼び出します (SLAS アクセストークンで返された USID のスコープ内)。createShopperContext または updateShopperContext エンドポイントを使用して、設定する買い物客の USID とコンテキストを指定します。
- 買い物客のコンテキストを設定したら、買い物客のコンテキスト情報を取得するための呼び出しを行います。たとえば、
GET productsです。
- 買い物客がログアウトした後、買い物客のコンテキストは削除されます。
- PRD インスタンスでは、コンテキストは、ゲスト買い物客の場合は 1 日間、登録済み買い物客の場合は 7 日間保存されます。その他のインスタンスでは、コンテキストは、ゲスト買い物客と登録済み買い物客の両方について 1 日間保存されます。ベストプラクティスとして、新しいコンテキストを作成して、定期的にコンテキストを拡張してください。
- インスタンスごとに保存できるコンテキストの数には制限があります。デフォルトでは、PRD インスタンスは 100 万個のコンテキストを保存できます。その他のインスタンスでは 5 千個まで保存できます。制限に達すると、それ以降のコンテキスト作成リクエストでは HTTP 400 レスポンスが返されます。クォータ制限のベストプラクティスについては、買い物客のコンテキストの更新を参照してください。
| B2C インスタンスタイプ | ゲスト買い物客の TTL | 登録済み買い物客の TTL | コンテキストクォータ制限 |
|---|---|---|---|
| PRD | 1 日 | 7 日 | 5,000,000 |
| PRD 以外 | 1 日 | 1 日 | 5,000 |
- Shopper Context API ではカスタムのフィールドやオブジェクトを使用できません。
- Shopper Context は、
ShopperToken(または SLAS) を使用する OCAPI とのみ互換性があります。OCAPI は他の認証スキームでも機能しますが、Shopper Context はShopperToken認証スキームでのみサポートされます。